「桐朋っていろんなコースがありますよね?」を解説します

目次

「桐朋って、ディプロマ?とか、いろんなコースがありますよね?」

音楽教室をしていると、生徒さんや保護者の方から、そんなご質問をいただくことがあります。

たしかに、演奏家プロフィールを見ると、

  • 桐朋学園大学卒業
  • 研究科修了
  • 大学院修了
  • 大学院大学修了
  • カレッジ・ディプロマコース修了
  • ソリスト・ディプロマコース修了

など、似たような名前だけど、ちょっと違う…?みたいなものが、たくさん並んでいて、「何が違うの?」と感じる方もいらっしゃるかと思います。

今回は、桐朋学園大学周辺のさまざまな課程について、できるだけわかりやすく整理してみたいと思います🎻

①桐朋学園大学 学部卒業

まず、基本、スタンダード(?)となるのが「学部」です。

「桐朋学園大学卒業」「桐朋学園大学音楽学部卒業」と書いてあれば、これです。

ちなみに、桐朋学園大学には音楽学部しかありません。卒業生はみな音楽学部音楽学科の○○コースです。

一般的な4年制大学と同じように、4年間かけて音楽を専門的に学ぶ課程になります。

実技レッスンだけでなく、

  • ソルフェージュ
  • 和声
  • 音楽理論
  • 音楽史

なども学びながら、演奏技術や表現を深めていきます。一般的な大学でいう“学士課程”にあたります。

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特徴

  • 4年間で音楽を専門的に学ぶ
  • 実技レッスン+ソルフェージュ+音楽理論など
  • 卒業すると「学士(音楽)」が取得できる
  • 演奏家志望だけでなく、教育・一般就職の人もいる

・・・

イメージ

「音大生」と聞いて多くの人がイメージするのがここです。

音楽界で「桐朋」というと「実技重視・演奏家育成」「バイオリン・弦楽器が強い」「早期英才教育」「職人気質」といったイメージもあるようです。クラシック演奏家を多く輩出していることで、一般の方にも認知されているようです。

いわゆる「音大生」と聞いて、多くの方がイメージするのがこの「学部」の課程です。

②桐朋学園大学 研究科修了

クラシック界隈でよく見かける「研究科」。

これは一般大学でいう“大学院”とは少し異なり、演奏実技をさらに深めるための、研究・研修的な意味合いの強い課程です。

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特徴

  • 学部卒業後に進む“演奏研修的”な課程
  • 修士号は取得できない
  • 実技をさらに磨く目的の人が多い
  • 1〜3年在籍するケースが多い

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どんな人が行く?

  • コンクールを目指したい
  • 留学前にさらに実力を伸ばしたい
  • 演奏家として研鑽を積みたい

という、“演奏重視”の人が多い印象です。

・・・

プロフィールで

「桐朋学園大学研究科修了」

と書かれている演奏家はかなり多いです。が、このあとご紹介する「桐朋学園大学大学院」の設立とともに、研究科はなくなりましたので、現在は存在していません。

③桐朋学園大学大学院

こちらは正式な「大学院(修士課程)」です。

研究科との違いとしては、修士号が取得できることが大きいです。大学卒業後の進路として、選択肢の1つになります。

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特徴

  • 修士号(音楽)が取得できる
  • 研究・論文要素もある
  • 実技+アカデミックな学び
  • 修了すると“修士”になる

もちろん実技も重要ですが、「演奏+研究」の両方を深めていくイメージに近いかもしれません。修士号をとるなら「桐朋学園大学大学院!」と覚えておきましょう。

④桐朋学園大学院大学

名前が少しややこしいのですが、こちらの「桐朋学園大学院大学」は、先にあげた「桐朋学園大学大学院」とは異なります。「桐朋学園大学」とは別組織として設置されている教育機関です。

『大学院大学』なのか『大学の大学院』なのか、文字の並びで違うものなんて大変複雑であります。

内部の事情がわからないと仕組みがわからないものですね。なんといっても『キャンパスが富山県にある』のが大学院大学の特徴であります。

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特徴

  • 演奏家養成に特化
  • 超実践型
  • 桐朋オーケストラ・アカデミーと同じ富山のキャンパス
  • 大学卒業後の進路として
  • 寮付きで“音楽漬け”の環境

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桐朋=仙川(調布)のイメージが強いですが、富山キャンパスで「俗世から少し離れて修行する」みたいな空気感があります。寮付きだからこそ、学生同士の交流も密なようです。

⑤カレッジ・ディプロマコース

こちらは、学位取得を目的とした課程とは少し異なり、実技を中心に専門的な学びを深めるためのコースです。

年齢層や経歴も幅広く、さまざまなバックグラウンドの方が在籍しています。

特徴

  • 一般大学や音大を卒業した後にさらに学びたい方
  • 社会人になってから本格的に学び直したい方
  • 演奏活動と並行してレッスンを継続的に学びたい方

「大学」や「大学院」とは少し性格が異なり、“演奏実技を継続的に学ぶ場”という側面が強いコースと言えるかもしれません。

⑥ソリスト・ディプロマコース

名前の通り、より高度なソリスト育成を目的としたコースです。入るのが難しい、出るのはもっと難しい、と有名です。

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特徴

  • 超高度な演奏技術が前提
  • 極少人数選抜
  • 国際コンクールで活躍が期待されるレベル
  • 演奏活動を前提とした教育

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イメージ

「演奏家の中でも、さらにトップ層向け」。

高度な演奏技術や表現力が求められる環境の中、国際的な演奏活動を視野に入れて学ぶ方もいます。普通の音大生全員が進めるようなコースではなく、かなり専門的・実力主義な世界です。

「どれが上?」ではなく、目的が違う

音楽大学の課程は、一般大学以上に“目的”によって分かれている部分があります。

  • 学位を取得したい
  • 演奏をさらに磨きたい
  • 留学準備をしたい
  • 社会人になってから学び直したい
  • プロとして活動しながら研鑽を積みたい

など、それぞれの進路や目標によって選ばれる課程が異なります。

そのため、「どれが上」という単純な話ではなく、“どんな学びをしたいか”によって進む場所が変わる、というのがクラシック音楽の世界の面白いところかもしれません。

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演奏家プロフィールを見るときに、

「この方は、どんな学び方をしてきたのかな?」

という視点で見てみると、また違った面白さが見えてくるかもしれません😊

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《追記》

「桐朋」というと女子校もあれば、男子校もあれば、そうそう「桐朋女子高等学校音楽科(男女共学)」の存在を語らなければ…と思い出しました。

初めて聞く方は、
「女子校なのに男女共学…?」
となりますよね😂

実際、音楽科については男女ともに在籍しており、一般的にイメージされる“女子校”とはかなり雰囲気が異なります。

いわゆる普通科の「桐朋女子高等学校」とは、お隣の校舎ではあるものの、在学中の三年間で一度も正面から踏み入れるきっかけはないです。(校庭と体育館と調理室?のようなところは授業で使わせていただいた記憶)大学のある仙川キャンパス内で学ぶ形になりますし、授業も1コマ90分の単位制。制服もありません。

クラシック界隈では当たり前になっている名称でも、外から見ると実はかなり独特なシステムなのかもしれません。

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おとのもり ~ otonomori ~

小田急線・町田駅・中央林間駅・伊勢原駅から徒歩数分のスタジオにて、子ども〜大人まで『ピアノ』『バイオリン』『声楽』の個人レッスンが受けられる音楽教室。桐朋学園大学卒業・現役東京芸大生の講師が楽しく本格的なレッスンをおこなっています。