1950年代アメリカ映画から感じる、音楽の空気感
今日のレッスンで生徒さんが演奏した、ルロイ・アンダーソンの《忘れられし夢》。
バイオリンやピアノで演奏されることも多い1曲です。
どこか懐かしく、甘く、少し切ない――。
短い曲なのに、ロマンティックで、まるで一本の映画を観た後のような余韻があります。

『忘れられし夢』を音楽的に弾くには?
この曲をより深く味わいたい時、実はおすすめなのが「1950年代アメリカ映画」を観ることです。
(余談:お子様のレッスンではとくに、イメージの共有をするために、画像や映像を見せたり、動物やアニメのキャラクターに例えたり、ストーリー仕立てに話したりと、レッスン中は妄想脳を働かせています。笑)
1950年代当時の映画には、《忘れられし夢》と共通するような、
・ロマンチックなストリングス
・ゆったり流れる時間
・“夢”のような空気感
・少し大人びた切なさ
が詰まっています。
今回は、そんな《忘れられし夢》の世界観を感じられる映画をご紹介します。
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そもそも《忘れられし夢》ってどんな曲?
アメリカの作曲家、ルロイ・アンダーソンが1954年に作曲した小品で、英題は “Forgotten Dreams”。
アンダーソンといえば、
・《そりすべり》
・《タイプライター》
・《シンコペーテッド・クロック》
など、軽快でユーモラスな作品で有名ですが、《忘れられし夢》はかなり異色。
映画音楽のような美しい旋律と、ノスタルジックなハーモニーが魅力の作品です。
演奏する時も、
「ただ正確に弾く」よりも、
“思い出を語るように” 演奏する
ことで、ぐっと雰囲気が出ます。
("懐かしい"かんじなのに『昭和を思い出す』とかではなくて、もっと、こう、日本的ではない、異国の感じで、ロマンティックで、、!これを言語化すっ飛ばして感じてしまいましょう!というのが今回の主旨です)
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《忘れられし夢》の世界観を感じられる映画3選
①『ローマの休日』(1953)
オードリー・ヘプバーンの代表作として有名な映画。
王女が束の間の自由を楽しむ物語ですが、ただ楽しいだけではなく、
「永遠ではない幸せ」
の空気が流れています。
これは、《忘れられし夢》にもとても近い感覚。
特に、曲の後半に向かう“思い出を振り返るような雰囲気”は、この映画のラストシーンにも通じるものがあります。
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②『麗しのサブリナ』(1954)
こちらもオードリー・ヘプバーン作品。
上品で、柔らかく、少し背伸びしたような空気感があります。
《忘れられし夢》を演奏するとき、
・急がない
・フレーズを“語る”
・音に余韻を残す
と雰囲気が出ますが、この映画のテンポ感もまさにそんな印象。
特にハーモニー感を感じたい方におすすめです。
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③『雨に唄えば』(1952)
1950年代ミュージカル映画の代表作。
《忘れられし夢》よりも明るい作品ではありますが、
・オーケストラの鳴り
・歌うような旋律
・映画音楽らしいストリングス
など、時代の“音の空気”を感じることができます。
当時のアメリカで好まれた、
「メロディを大切にする音楽」
を知るうえでも、とてもおすすめです。
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昔の映画を観ると、演奏が変わる
クラシックを学んでいると、
「どう弾けばいいんだろう?」
と悩むことがあります。
もちろん、
・楽譜を読む
・技術を磨く
・音程やリズムを整える
ことも大切。
でも、
“どんな景色の音楽なのか”
を知ることで、演奏は大きく変わります。
《忘れられし夢》なら、
・夜の街灯
・セピア色の写真
・古い恋愛映画
・雨上がりの街
のような情景を感じることで、音の深みが増していきます。
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美しい音楽を奏でたい!
《忘れられし夢》は、派手な技巧の曲ではありません。
けれど、
「美しいメロディを、どう歌うか」
という音楽の本質が詰まった作品です。
もし演奏する機会があれば、ぜひ1950年代映画の空気感も一緒に味わってみてください。
きっと、“ただ音を並べる”だけではない演奏に近づいていくはずです。
今日のレッスンの話
今日のレッスンでは、生徒さんにちらっとYouTubeを見せつつ「こんな作品のイメージで…」と伝えて「1と2と3と4と」と口ずさみながら、カウントのコツを伝えたら、あら不思議!とてもロマンティックな音楽になって、幸せな音楽時間を過ごしました。
素敵な1曲をありがとうございました😊🎶